モラトリアム
本編



プルルルルルル。


デスクの電話が鳴っている。
ディスプレイには内線201。


確認しなくても誰かなんてすぐ分かる。



「はい。経理課 飯野です」

「ふふ、俺」

「お疲れ様です」

「素っ気ないなー」

「ご用件はなんでしょう?」

「もうすぐ終わりでしょ?いつものトコで待ってるから」

「あのね、私にだって…」



ツーツーツー。
すでに切られてる電話。


もう西園のヤツ。人の話も聞かないんだから。


なんで私が後輩のアイツの言いなりにならなきゃいけないんだろ。


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