青い向日葵
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爽やかな5月の風が校舎の屋上を通り抜けるたびに、さらりと頬をかすめていく。
学ランのポケットに手を突っ込みながら空を仰ぐと、恐ろしいほどに真っ青だった。
この何もない空を眺めただけで、なんだかかったるい。
まあ。だからと言って引きこもるつもりもないが、真面目に授業を受けているのも息苦しい。
いつの間にか、屋上(ここ)が俺の居場所になっていた。
ため息がひとつ漏れる。
いつの頃からか、生きている実感がしなくなった。
毎日をなんとなく過ごしていて、ふわふわとして地に足がついていない感じがする。
自分もいつかは大人になるなんてことも、想像ができない。
思い描く未来には常にもやがかかっていて、色がない。