青い向日葵


あえて言えば、灰色だ。


そんな状態で未来に希望など持てやしない。


それなのに、大人は将来のことだの進路のことだのまくし立てる。


どこか、死んでしまっても構わないと思っている。


好きなことをして、ぱっと散ってしまえばいいじゃないかと思っている。


どうせ大人になったって、あくせく働かされて、あっという間にじいさんになるんだから。


さらさらとそよぐ風に、ふんわりと新緑の香りがのっている。


それは新しい命の香り。


くすんだ俺とはまるで真逆の香り。

< 2 / 108 >

この作品をシェア

pagetop