魅惑のハニーリップ
マーブル模様
 週が明けて仕事が始まると、宣言どおり宇田さんはまた忙しくなってしまった。
 営業部へは仕事で足を運ぶことが多いけれど、宇田さんは外回りでオフィスにいないことが多い。
 たまたまいるときに出くわしても、眉間にシワを寄せながら難しそうな顔をしている。

 時には浅田さんが隣りにいて、何か話をしていたり……

 それでも不安な気持ちが最小限でいられるのは、宇田さんが仕事終わりに私の部屋に会いにきてくれるからだ。

 ほとんど毎日と言っていいくらい、約束通り会いに来てくれる。
 どうしても来れないときは、申し訳なさそうに電話をしてくれる。

 ただ……ゆっくり長くは会えない。
 いつも部屋でコーヒーを飲んで話をしたら帰ってしまう。

 だけど、それでもやっぱりうれしい。

 好きな人に会えて、好きな人が自分のために時間を作ってくれたと実感できるから。

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