Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編
first Kiss





結局、私は桂木の別荘行きに同意した。


誘われた美術部の面々もそうだったが、景色がいいと聞きつけた写真部の連中まで合流したため、ずいぶんな人数になる。


そして、その中には後に高校で映画部を作るメンバーが揃っていたのも、運命と言えば運命だったかもしれない。





桂木の知り合いの持ち物である海沿いの別荘に到着したのは、8月の上旬のこと。1年で一番暑い時期だったから、日差しも強くて夏らしい青空が広がっていた。


幸い天気予報でも3日は傘マークがない絶好の日和。美術部や写真部の活動も、その合間の自由時間も存分に楽しめるだろう。


夏休みだから混みそうな海岸でも、プライベートビーチだから人混みとは無縁。三日月の形をした突き出した入り江の海は、澄みきって底が良く見えて。砂浜は混じりけのない真っ白なビーチ。女子だけでなく、男子のテンションが上がるのも無理はなかった。


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