オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

倒れ込んだのがベットの上だったからよかった。

でなきゃたんこぶが出来てるよ、今ごろ。

あたしもそんな風にのんびりと考えてる場合じゃない!

ナギの身体が重い〜!

押しつぶされちゃうよ!!


あたしはナギの身体の下から脱出を試みようとしたけど、それを考えるより前に異変に気付いた。

あたしの右手から聴こえるナギの息が不自然に早くて、苦しげだってコトに。


身体が隙間なく合わさってるから、判ることもある。


鼓動もめちゃくちゃに早くて、身体が冷え切っていたコトも。


あたしは身体じゅうのむず痒さと震えを我慢しながら、ナギの下から脱出すると、肩を掴んで揺さぶりながら彼に声をかけてみた。


「ナギ、大丈夫なの!?やっぱり家に帰った方がいいよ!」


あたしが隣の部屋にいるマモル君たちに話そうと、足に力を込めて立ち上がろうとしたとき。


伸びてきた手にスカートの端を掴まれて、それ以上のあたしの動きは制止された。


「騒ぐな……これは……誰にも知らせるな。特に家に知らせ……るな」
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