グリンダムの王族

結婚か戦か

城に戻ったアランは近衛騎士隊長ジョルジュに見てきたことを報告した。
それを受けたジョルジュはすぐにラルフ王のもとへ向かった。

ラルフはジョルジュの話に特に動揺することもなく、ふっと笑みをもらした。

「、、、身元は分かったのか」

王の質問にジョルジュは頷いた。

「タトル村の少女のようです。
アランが家はつきとめましたが、まだ直接接触はしていません」

その答えに王は軽く頷いた。そしてその目を隊長に向ける。

「話は分かった。この件は、とりあえず様子を見る。
たまたまこの国で会って、仲良くなっただけのことなら騒ぐこともない」

ラルフはちょっと苦笑すると、「セシルも王子を責められる立場ではないしな」と言った。

ジョルジュはその言葉の意味を分かっていたが、特に反応はしなかった。

ラルフはジョルジュを見ると、「報告、ご苦労だった。さがっていいぞ」と言った。

ジョルジュは頭を下げると、「失礼いたします」と言って部屋を退出した。
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