グリンダムの王族
翌日、午前中の議会にクリス王子と宰相は出席を求められた。
2人はそれに従い、議会の部屋へと向かった。

議会にはラルフ王だけでなく、カインとセシルも出席していた。
ラルフはクリス王子と宰相が席につくと、2人を見ながら口を開いた。

「朝から申し訳ありません。
本日はクリス王子と、妹セシルとの婚姻について、
正式に決定させて頂きたいと思っております」

ラルフの言葉にクリスは目を見開いた。

隣の宰相は、「こちらこそよろしくお願いいたします」と頭を下げた。

ラルフは少し間をおくと、

「では、、、。婚姻による同盟を結ぶことは、
決定としてよろしいでしょうか?」

とよく通る声で聞いた。

「もちろんでございます」

「―――待ってくれ」

宰相の言葉を遮るように、突然クリスが口を開いた。
宰相はその言葉に、驚いたようにクリスを見た。
ラルフ、カイン、セシルが、ちらりとその目をクリスに向けた。

そんな視線の中、クリスがゆっくり立ち上がった。

「決定はまだできない。国に戻って王と検討してから、返答をしたい」

彼はそう言った。議会の場が、彼の言葉に一瞬静かになった。
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