ラブ☆ヴォイス

バースデーマジック

* * *

 本日、6月24日。今日は三井唯、記念すべき20歳の誕生日である。

「誕生日おめでとう、唯。」
「うわーありがとうっ!」
「で、プレゼント。」
「きゃーありがとうっ!」
「でもこんなんで良かったの?」
「もちろんっ!」

 華にお願いした誕生日プレゼント、それは…。

「和食の本なんて…普通誕生日プレゼントでリクエストする?」
「だって家になかったんだもん!」
「唯、普通に料理は出来るじゃない。」
「バリエーション増やしたくて。」
「花嫁修業?」
「なっ…違っ…!」
「違くないじゃない、その顔。」

 華に指摘されて余計に顔が熱くなる。花嫁修業なんかじゃないけれど、もしそうなったら嬉しいなとかも思わないわけではなく、赤くなる。

「御堂明博は和食好きなのね。」
「なんで分かったの!?」
「これで分からない奴がいたら鈍すぎて死刑よ。」
「…うっ…!」

 それはつまり、唯が分かりやすいということでもある。
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