ハニートースト ~カフェで恋したあなた~

月の下で




-月の下で-



「あ~、飲んだ飲んだ」



「酔ってるでしょ~、片桐さん」



「こんなくらいで酔わねーっつうの」





フラフラした足取りで店を出た。




外は真っ暗で、月の明かりがとても眩しく感じた。



とても綺麗な満月だった。






「月、きれいだぁ」




私は月を見上げて、立ち止まる。





「わぁ~、マジきれいな月だな。描きたくなるな」






片桐さんはその場でしばらく月を見つめていた。



頭の中にはいろんなイメージが湧いてるんだろうな。



こういう顔した片桐さん、大好き。


大学時代を思い出す。






「ちょっと、休憩していい?」




片桐さんは少し先に見える公園を指差した。




午後10時の公園。



ブランコに乗るのは何年ぶりだろう。




片桐さんが前に行くタイミングと私が後ろに行くタイミングが同じ。




すれ違いっていうのかな。




私と片桐さんって一生こんな感じなのかな。






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