溺愛ごっこ

Fifth

まだ時間があると言う久世を家にあげ、コーヒーを淹れた。

「聞いていい?」

「んー?」

久世は首を傾げた。

「どうして、あたしのために?」

「何が?」

「その…」

言いかけたあたしに久世はなるほどと言う顔をした。

「男として許せなかった、って言うの?

つきあったらつきあったらで最後まで愛すのが、男としての役目だと俺は思うの。

他の女なんか視界に入んねーってくらい愛さなきゃ、かわいそうでしょ?」

「何か…少女マンガみたいだね」
< 31 / 65 >

この作品をシェア

pagetop