お腹が空きました。

胃に穴が開きそうです。















…なんで、私こんな所に居るんだろう。


と、言うのが紗耶の素直な感想である。


ちょこんと部屋の真ん中に正座をし、ひたすら冷や汗を流すのに忙しい。


目の前に置かれたティッシュは一枚鼻をかむ程度に収まった。

(何故なら涙はとうの昔に引っ込んだから。)


奥のキッチンからぬっと長い足が出てくる。

のっしのっしと近づいて来たそれは、緊張したまま下を向く紗耶の前にコトンとココアを置いた。


「す、すいません。」


「熱いぞ。」


キッチン側のソファーにドカッと座った杉崎は、自分にも入れたココアをゆっくり喉へ傾けた。


「…、ソファーに座れば?」


「は、はい。」


カーペットの上で正座していた足を崩し、紗耶は真後ろにある黒色のソファーに腰を降ろした。






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