右隣の彼

夢の中のアイツ

「先輩・・・俺の言う事聞いてくださいね」
「わ・・わかってるわよ!」

くやしい・・・・2択で負けた。
でもお願いって何よ・・・・

結局、その日は岸田君の言うお願いの内容は聞けずじまいで
そのまま解散となった。
もちろん払うはずのお金は賭けに負けたって事で
受け取ってもらえず、お願いの内容が何なのか
悶々としながらの帰宅。

もちろんこの悶々は家についても治まらず
風呂入って布団に入っても続いた。

何であんな事で私は悶々しなきゃなんないのよ!
たかがお願い一つごときで・・・

その日の夜私は久しぶりに夢を見た。
普段も見るのだろうけど忘れるんだよ!


「俺がどれだけ一美の事を思ってるかこの身体に刻み込んでやるよ」
岸田君との距離がぐっと近づき、びっくりして後ろに下がろうとするが
厚い壁の様なものが背中に当たり身動きが取れない。
「岸田君?・・・ちょっと・・・あなた可愛い彼女がいるんじゃ?」
岸田君の手が壁につく。
これがあの女子憧れの壁ドンってやつっすかー!
って喜んでる場合じゃない。
「彼女?・・・・アレ嘘だから」
岸田君の顔がぐっと近づいてあと数センチでキスしちゃいそうな距離だ。
「う・・うそ?」
「そう~嘘。一美と話す口実作りについた嘘。俺彼女いないから
俺は最初っから一美だけを見ていた」
は・・はい?
そんなのは嘘だ!
「話す口実だったら他にあったでしょ?」
さらに岸田君との距離が近づき、咳でもしたら完全にキスしちゃいそうだった。
「一美の話を聞く事でどうやって俺の物にしようか対策立てれる
でしょ?俺を見くびらないで・・・現にこうやって一美は俺からもう
逃れられなくなってるよね。・・・黙って俺の物になんなよ・・・」
「え?え?ええええええ!」
もう駄目~~~岸田君とキスしちゃー
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