オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
京夜side
彼女が再び俺のマンションに住み始めて
今日でちょうど1週間が経った。
土曜日の今日は、お互い休みという事もあり
彼女は朝から機嫌がいい。
けれど、その機嫌も
あと数時間しか残されてないかと思うと胸が痛む。
今日は、午後に天宮凪彩と会う事になっている。
今後の事を話し合う為、
平日ではなく週末の日中に会う事にした。
これは、彼女のなりの希和への配慮だと思える。
夜遅くにコソコソと行き会っていては
例え、分かっていたとしても精神的に辛いと思う。
それに、恐らく希和は愚痴など零さないだろう。
そんな彼女だからこそ惚れたというのもあるが
今は、少しでも彼女の負担を少なくしてやれないかと思案する。
「京夜様ぁ~!」
「ん~?」
「お昼は何が食べたいですかぁ?」
リビングにいる俺に、キッチンから声を掛ける希和。
鼻唄交じりに珈琲を淹れてくれている。
「何でもいいよ」
「えぇ~?何でもいいが、一番困るんですよねぇ~」
困るといいながらも楽しそうに笑みを浮かべている。
そんな彼女を眺め、更に胸が痛んだ。