恋 時 計 ~彼はおまわりさん~

初めての朝



夜中の11時半。


私は眠れず窓から月を見ていた。




おまわりさんに抱きすくめられてた時間は、夢のようだった。


夢のような時間の後に待っていたのは、警察署での聴取と犯人確認。

それからお父さんのお怒り……。



おまわりさんが通報した時、現場付近を巡回していたパトカーがいて、不審な行動をしている白人を任意で動向した。


白人はすぐに自供したけど、念のためにと私はその人の顔を確認することになった。




狭い部屋に入った私の目に映ったのは、

あの白人だった。



冷たく悲しい瞳をした白人。




マジックミラーで白人には私の姿が見えないのに、なぜか同じ空間にいるような感覚に襲われ、

恐怖感が鮮明に蘇った。




だけど、おまわりさんがずっと傍に居てくれた。



ずっと手を握っててくれたから、私は逃げずに見ることができた。





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