【短編】ショートメッセージ
しかし、私の気持ちとは裏腹に、彼からのメールは徐々に減っていった。

以前のように朝から晩までといったようなやり取りはなくなってしまったのだ。しかし、時々来る彼からのメールの内容は、これまで通り他愛ないことだった。

そして、なんとなく不安に感じていた私だったが、ついにラリーが続かなくなった。投げたボールは帰って来ることなく、何処かの茂みに隠れてしまったまま、放ったらかしにされることが多くなったのだ。

これにはさすがに、私はイライラしていた。

お互い、同じ気持ちに傾いていたのに…

しかし、彼は大学生だ。きっと、他に何か打ち込めるものができたのだろう…

そう考えることで、その苛立ちを何とか消化していた。

それでも、私は何度も携帯をチェックしていてしまう。そんな自分に、うんざりしていた。



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