神様修行はじめます! 其の三
端境(はざかい)の一族
「小娘、永久自身が望んでおるのじゃ。周りが何を言おうが気に病むな」


「そうですわ! あのアフリカニシキヘビが何か言ってきたら、口の中に生卵でも突っ込んでやればいいんですわ!」


「うあぅ! うああ~!」


皆が代わる代わる励ましてくれる。

それがとてもありがたかった。


だから「うん! そうだね!」って明るい声で元気に答えた。


・・・表面だけは。なんとか。


顔に笑顔を貼り付けながら、心の中は暗い感情を持て余している。


周りを気にしないわけにはいかない。だって彼は当主なんだから。


人間は偉くなればなるほど、周囲の目が厳しくなり、締め付けも厳しくなる。


いまや彼は一番、世間の目ってのを重要視しなきゃならない立場だ。


当主様が世間の意見をロコツに無視して好き勝手しちゃ、マズイよそりゃ。


確かに彼の評価はガタ落ちだ。


後ろ盾の無い彼が一般の支持まで失ってしまっては、上層部の思うつぼ。


彼は手足をもぎ取られて操り人形にされてしまう。

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