金色・銀色王子さま
【6th room】そんな可愛い顔…ムカつく
香織の案はごく自然なものだった。
どこか休みの日、カイトに遊ばない?と声をかけ友達も誘ってほしいと頼む。
つまり4人で出掛けよう!ということだ。

まぁ、香織的には、新しい男との出会いのチャンス…という目論みもある。


そんなことはつゆ知らず、カイトは快く「いいよー!」と言ってくれ、おまけに詳細は携帯でやり取りすることになった。
カイトの名前が入ったアドレスを眺めてほんわりした気分に浸るなんて、中学生の女子みたいだ。
店長にも「なんか変わった?」と言われたがそこは保留。だって言ってしまったら光の速さで知れ渡ってしまうから。



当日待ち合わせ場所に行くと、白いニットのワンピースを着た香織がいた。
お化粧ばっちり、綺麗なお姉さん。
かたや私は、ボルドーのニットにショートパンツ。マフラー巻いてきたから髪はアップにした。動きやすいショートパンツはお気に入り。いつまで穿けるか分からないけど。
香織と並ぶと幼さを感じてならない。

「どんなイケメン来るんだろうね~」

「さぁ…カイトに頼んだから誰が来るか分からないけど…」



何度も会ってるのに、なんか特別な気分になる。照れ臭いような戸惑うような…



「ごめん、遅くなった」

「あっ!おはよ…」



!!!!!



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