本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
この先もずっと・・・
10年ぶりの再会は最悪だったが、数時間後には最高になっていた。
でも恋愛から遠ざかっていた私は、この状況に戸惑いを隠せなかった。
甘い言葉や私を見つめる優しい眼差しにうまく応えられているのだろうか?
恋愛が高校2年で止まっている私は10年前の自分に戻ったようにドキドキしてた。
そんな状況だというのに私たちはその空白だった時間を取り戻そうとしていた。
だけどこうも密着するように座られるとどうしたらいいのかわからない。
「どうしたの?数時間前の勢いがなくなってるけど?」
わざと意地悪なことを言うのは相変わらずといったところ。
「し、仕方ないじゃない。こう言うの久しぶりなんだもん」
「こう言うのって?」
私が何かいえばすぐに色々聞くところも変わらない。
「だからそれは……す、好きな人とをこんなに近くにいるってことよ」
恥ずかしくて顔が火照る。
「そう?俺はもっとくっつきたいね。10年分だき尽くすとか」
「えええ?そ、それはさすがに」
だめだ、小牧君は冗談で言ってるんだろうけど、大人な返しがきかないのだ。
「え?もしかしてイチャイチャしたりするのは嫌い?」
「き、嫌いというわけではないんだけど……」
好きな人とならイチャイチャしたいけど、恥ずかしくていえず言葉を濁しながら考えていた。
すると突然景色が変わった。
「はっ!?」
ソファーに座ってた私の体が宙に浮いた。
のではなくお姫様だっこされたのだ。
「こ、小牧君?」
「俺が杏奈ともう一度やり直すことができたらまずしたかったのがこれ。お姫様だっこは俺がするんだ!ってね」
余裕を感じさせる笑顔を見せる小牧君だが、まさかそんな事を考えていたとは……
< 88 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop