さぁ、跪いて快楽を乞え!

Quatre.

「え? 私に頼んでいらっしゃるんですか?」

橘に、女らしい立ち振舞いと衣装に慣れるという練習に付き合ってくれ、と頼んだらこの言葉だ。
おいおい……。

「お前以外に誰が居る」

俺の部屋には橘と俺以外は、メイドは疎か、橘以外の執事さえも居ないのだ。
……尤(モットモ)、橘以外の執事が俺の部屋に入ってくることは全くもってあり得ないのだが。

「貴方の事ですから、私以外にもあと数匹の妖精が見えているのかと……」

可笑しいですね……なんて顎に拳を添え、首をやんわりと傾げながら言う橘。

「……俺はそんなに馬鹿じゃねぇぞ」

「おや、初耳ですね」

「……」
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