さよなら御伽話(メルヘン)またきて現実(リアル)【完】
「ま、まぁ、そんなに和泉川先輩が私とお勉強会をしたいって言うんなら、別に付き合ってやらないこともないですよ!駄目駄目な和泉川先輩には私がついてないとですもんね?」
「そうだよ。俺は愛生がいないと駄目な男だよ」
「え」


てっきりいつもみたいに鼻で笑いながら反論するかと思いきや、なにそのデレデレ具合は。
意表を突かれて、なんだか悔しくなってしまった。
だけどこういうやり取りも満更ではない。

ふわりと麗らかな春の訪れを知らせる風に髪を撫でられて、私は心地よさを覚える。


「よし。せっかくだし正面玄関の方行って、アイツらと写真でも撮っておくか」
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