結婚に愛はあるのか?
「どうせ、部屋だって、たくさん余ってるんだから」

そう言ってニコッと微笑まれ、私は陽介の顔をチラッと見た。


「オレは構わない、傍にいられるならどこだっていい」

「じゃあ、決まり」

勝手に決める二人をよそに、私と優也は納得できかねる。

「じゃあ、オレもどうなるか決まるまでここに住むからな」

「「「・・・!!」」」

優也の提案に、三人が驚く。


「何でお兄ちゃんまで一緒に住むのよ?

私はあくまでも、この二人に場所を提供するだけで、

何も言わない第三者でいられるけど、お兄ちゃんは絶対無理でしょ?」


一気にまくしたてられるが、優也は全く耳を貸さない。


「まぁ、好きなようにしてくれたらいいよ。

オレは愛と一緒にいる事が、この先の事を決めるのが目的なだけだから」


「もぅ・・・しょうがないな。お兄ちゃん、絶対口を挟まないでね」

「時と場合による」

…とにもかくにも、奇妙な同居生活がスタートした。
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