極上ショコラ【短】
口を開けば出て来るのは、耳障りな程に甲高い声。


自分(アタシ)からこんなにも甘ったるい声が出るなんて事を、篠原に抱かれるまでは知らなかった。


まるで卑猥な映像の中の女のような嬌声に抱く羞恥と、今にも壊されてしまいそうな体。


その二つを何とかしたくて、いやいやと首を横に振る。


「ほら、雛子(ヒナコ)」


だけど…


「腰、もっと動かせよ」


篠原はあたしの耳元に唇を寄せ、いつものように低く冷静な声音で囁いた。


「……も、ッ……むりぃ、っ……!」


目尻から涙が零れた直後、奥深くを突かれて喉を仰け反らせた。


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