祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
キヨが怒りながらパジャマに着替えていると、ドアがノックされた。




「はーい、誰?もう寝るけど」

「ちょっといい?」



キヨがドアを開けるとカンナが立っていた。


キヨはカンナを招き入れると、2人はキヨの部屋にあるテーブルの横に座った。




「カンナ、まだ起きてたんだね。どうしたの?」

「うん、眠れなくて…」



キヨは部屋に置いているミニ冷温庫から烏龍茶を出し、カンナに渡した。





「話があるんでしょ?何でも聞くよ」



キヨがカンナの顔を見つめると、カンナは力なく微笑んだ。




「…キヨはイノリが好きだよね。いつか告白とかするの?」


「…そりゃ…いずれはしたいけどイノリは私に興味ないし。…もしかしたらこのまま死ぬまで私の気持ちは、イノリには伝わらないかもね」



キヨはため息をつく。





「キヨはそれでいいの?もし伝えないまま、イノリが誰かと結婚とかしちゃっても後悔はない?」


「…もし告白して、今の関係が壊れちゃうなら私は伝えない。伝えられないよ…。イノリに拒否られる方が恐いもの」




カンナは俯くキヨをそっと抱きしめた。



優しい匂いのするカンナにキヨも抱きつく。
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