祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
次に向かったのは倉木 風(くらき かぜ、通称・カゼ)の部屋。



カゼの部屋に入ると、きちんと整頓された部屋のベッドの上で

カゼは正座をしながらボォ〜と壁を見つめていた。




「カゼ、起きたの?おはよ」

「…………はよ」



物事に無関心で掴みどころのないカゼは、口数が少ない。


その性格には似合わないほど、整った顔立ちをしている。




カゼはのっそりと立ち上がると、キヨの頭を撫でて部屋から出て行った。




「カゼはいつまで経ってもあんなんだな。まぁそれがいい所なのかもしれないけど」



キヨはカゼの部屋の窓を開け、3人目の男の部屋へと足を運んだ。




最後の部屋に入ると、ベッドから頭が落ちながらも寝ている男がいた。



「イノリ、あんた昔から本当に寝相が悪いわね」



この家の最後の住人こと北山 祈(きたやま いのり、通称・イノリ)は、俺様的性格な男。


物心ついた頃からのキヨの想い人である。




イノリの部屋はゲーム機器やソフトで散らかっている。




「イノリっ!!遅刻するよ?」

「うーん…あと5分…」

「イノリの5分は5時間だもん、だからダメ!早く起きなさい」




キヨに脇をくすぐられたイノリは酷く寝癖のついた黒髪を掻きながら渋々起き上がり、キヨと共にキッチンへと向かった。
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