私達は机の落書きから始まった。
 
 
別れて一週間経ったくらいに、猛に新しい彼女が出来たって聞いた。
 
 
ショックじゃなかった。と言ったら嘘になる。
 
 
でも、やっぱり あの時の私は変なプライドがあって、強がってた。
 
 
周りには平気なふりをしてた。
 
 
「菜々! 次、移動教室だよ」
 
 
今、目の前にいるのは、原田優里。
 
 
高校1年から仲良くなった、親友。
 
 
可愛いより綺麗系。
 
 
でも、性格はサバサバしていて、男にも女にも人気。
 
 
菜々っていうのが、私。
 
 
澤田菜々。
 
 
背の高さも、見た目も、勉強も、全てが平均的な女。
 
 
唯一、胸の下まである、髪の長さだけは、気に入ってる。
 
 
「移動教室めんどー」
 
 
「仕方ないから、早く行くよ」
 
 
優里に言われて、渋々移動した。
 
 
 
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