私達は机の落書きから始まった。
週に4回はある移動教室。
移動するのはめんどくさいけど、移動先の教室は嫌いじゃない。
理由は、窓際の席に座れるから。
単純だけど、一番後ろの窓際の席だと、寝るのに最適な場所。
生物の授業が子守歌に聞こえてくる。
季節は夏の終わりで、気温も調度良く、更に眠気が襲う。
ポケットの中で振動が伝う。
携帯を取り出し、メールのマークを確認すると、
心のどこかで期待してしまう自分に気付く。
猛からかもしれないと。
そんな自分に嫌気が差す。
黒板に書かれたことをノートに書き写す。
そのまま、机の右端に落書きした。
"もう、嫌だ"
そんな一言を。