私達は机の落書きから始まった。
 
 
黙って聞いていた優里が、全てを話し終えると
 
 
「そっか…
気付いてあげられなくて、ごめんね。」
 
 
優里が謝る事じゃない。
 
 
私が自分の気持ちを隠していたからなのに。
 
 
「長谷とは付き合ってないんだ。
 
でも、このままでいいの?」
 
 
「…うん。
猛の事は、少し前向きに考えられるようになってきた。
それに、愛美ちゃんいるし。
私は、もう大丈夫。」
 
 
本当のこと。
 
 
大分、前向きに考えられるようになってきた。
 
 
きっと、遼平のおかげなんだと思う。
 
 
「そっか。
それならいいんだけど。」
 
 
優里に正直に話せて、スッキリした。
 
 
もっと前に話せば良かったな。
 
 
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