スイートホーム
そろそろ帰って来た頃かなぁ、小太刀さん…。


厨房にて、作業台の上に積まれた食材を見つめながらぼんやりと考える。


てんやわんやの告白劇から一夜明け、朝食の提供を済ませて後片付けをして、そうこうするうちに食材が届いたのでそれを受け取って配達員の方を見送った所だった。


ちなみに食材は毎日午前中に、事前に契約している業者さんが当日の昼食、夕食、そして翌日の朝食分まで配達してくれる。


注文書と現物を照らし合わせながら漏れはないかどうかチェックして、複写になってる納品書の片方にハンコを押して相手に渡して、もう片方をこちらで受け取って、という作業が必要であり、その日の早番が担当する事になっていた。


次いで食材を所定の場所に仕舞うのだけれど、意外と面倒なその作業の前に、ついつい小太刀さんに思いを馳せてしまった。


って、現実逃避してる場合じゃない。


さっさと動かないと。


私は自分を叱咤しつつ、まずはじゃがいもの袋を手に取った。


これが終わったら管理人室に行って、注文書と納品書をそれぞれファイルに綴じて来なくちゃ。


で、その後お昼作りに取りかかって。


今日は人数が少なくて、作る量は5人前なんだよね。


文子さんが非番で、お出かけする予定があるのだ。


久しぶりにご友人達とお芝居を見に行くらしく、その前に劇場近くのちょっと高級なレストランで昼食を摂るらしい。
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