憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 首を傾げながら携帯を眺めていると、手の中で携帯が震えた。

 画面に表示される、知らない番号。

 オレは普段、アドレスに登録してない番号からの電話には出ない。

 でも、『早川さんの携帯、電池切れで誰かから借りて電話して来たのかもしれない』などと、自分に都合の良い期待をしながら通話のボタンを押した。

 「・・・はい」

 『あ、木崎センパイの携帯ですか!?? ワタシ、莉子の友達の島田沙希って言います。 あの、莉子の事知りませんか?? 昨日の夜出かけたきりまだ家に帰ってないみたいで・・・。 携帯も繋がらなくて・・・』

 『島田沙希』と名乗る女のコが、相当焦った声を出していた。

 ・・・ていうか、何?? 早川さん行方不明なの??

 「・・・オレにも連絡ないけど・・・島田さん、オレの番号どうして知ってんの??」

 色々とわけが分からない。 自分の携帯番号を知られているのも、何か気持ち悪い。 新年から新種の詐欺か何かか??
< 155 / 280 >

この作品をシェア

pagetop