憎悪と、懺悔と、恋慕。
  
 『スイマセン。 知り合いに手当たりしだい聞きまくりました。 あの、木崎センパイのお母さんの実家ってどこですか?? 莉子、木崎センパイのお母さんの地元の神社に行くって言ってて・・・。 一緒に行けば良かった』

 涙声になる島田さん。

 話の内容から、島田さんが言っている事は嘘でも詐欺でもなさそうだった。

 むしろ、緊急事態だった。

 「・・・探しに行かなきゃ」

 オカンの田舎は、街灯もない。 夜になったら真っ暗になる。

 神社がある山は、熊が出てもおかしくない様な場所で。

 ・・・早川さんにもしもの事があったらどうしよう。
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