憎悪と、懺悔と、恋慕。



 早川さんに会うのが久々だから、なんとなくそわそわしながら、早川さんが働くバイト先へ。

 しかし、店の外から店内を覗いてみたけれど、早川さんは見当たらない。

 ・・・今日はバイトの日じゃないのだろうか。

 取り合えず、中に入る。

 「いらっしゃいませー」

 正月にオレに電話を掛けてきた、早川さんの友達に良く似た声がした。

 声がした方に目を向けると、その子もオレを見ていた。

 「・・・島田さん??」

 「はい」

 やっぱりその子は、早川さんの友達の子だった。

 「早川さんは、今日はバイトの日じゃないの??」

 島田さんに近づき、話しかけると、

 「・・・莉子ならバイト辞めましたよ」

 島田さんが、オレを睨む様な目をした。

 イヤイヤイヤイヤ。 オレ、キミにそんな目をされなきゃいけない筋合いないんですけど。

 てか、バイト辞めたの?? 早川さん。

 バイト辞めたら携帯代が払えないって言ってたのに。

 あ、オレのオカンがココのケーキが好きな事を知って、バイト先変えたとか??

 「早川さんの新しいバイト先ってどこ??」

 「してませんよ。 バイト」

 島田さんの視線が益々鋭くなった。

 「・・・木崎センパイ、今少しだけ時間いいですか?? 店長に言ってちょっと休憩もらってくるので」

 「うん」

 ガンギレしている島田さんの要求を断る事もし辛い為、素直に頷いた。
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