憎悪と、懺悔と、恋慕。
 


 店の外に出て壁にもたれていると、

 「お待たせしました」

 程なくして島田さんがやって来た。

 「何か、話があるんだよね??」

 壁から身体を起こし、島田さんと向き合う。

 「・・・莉子は、木崎センパイが受験で大事な時期だから何も言わなかったんだと思うけど・・・でも、だからって莉子だけが我慢してるのもおかしいと思うから・・・でも、ワタシが変な事話して『気が散って大学落ちました』とか言われても嫌なので・・・どうします?? 聞きます??」

 言う気満々のくせに、島田さんが取り合えずお伺いをたててきた。

 「絶対受かるから大丈夫」

 聞かないと、気になってそれこそ勉強なんか出来ない。
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