憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 「・・・莉子に可哀想な思いをさせるのは・・・違うよな」

 早川さんのお父さんが、弟さんの言葉に頷いた。

 「お姉ちゃんが今後こんなイケメンと付き合える可能性なんか、0%だよ!? ゼロだよ、ゼロ!!」

 弟さんの力強い念押し。

 弟さんは、何をもって断言しているのか・・・。 早川さんも否定しないし。

 そして、オレの事を『イケメン』って言うの、やめて頂けないだろうか。 そりゃあ、悪い気はしないし嬉しいけど、こっ恥ずかしい。

 でも、今『オレ、イケメンじゃないし』的な論点がズレた話を挟み込むのも邪魔臭い。 が、しなかったらしなかったで、自分をイケメン認定しちゃってる痛い人間になってしまうし。

 何この、2重に気まずい状況。
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