憎悪と、懺悔と、恋慕。
 

 木崎センパイと、奇跡の談笑をしながら木崎センパイの家に到着。

 玄関を開けるなり、

 「莉子ちゃーん!! 今日も来てくれたの?? 嬉しいー!!」

 木崎センパイのお母さんが笑顔で迎えてくれた。

 木崎センパイのお母さんに『嬉しい』なんて言われると、やっぱり罪悪感に苛まれる。

 こんなワタシが連日やって来てごめんなさい。

 「・・・勉強を教わりに来ちゃいました。 ・・・スイマセン」

 気まずくて、木崎センパイのお母さんの顔を見れずに小さく頭を下げると、

 「何で謝ってるの?? いいから上がって上がって。 もう、なんならウチに住んじゃえばいいのに。 部屋余ってるから、1コ莉子ちゃんの部屋にしちゃえば??」

 木崎センパイのお母さんが、ワタシの手を引っ張った。

 嬉しくて、切ない。

 木崎センパイのお母さんに、自分をそんな風に思ってもらっている事が、苦しい。


 ・・・てゆーか、さすがお金持ち。

 部屋が余る事ってあるの?? ウチ、収納無さ過ぎて、物が溢れかえるくらい狭小住宅なのに・・・。
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