臆病者のシーソーゲーム(仮)












「須藤~、お前どこ行ってたんだよ~」



昼休みが終わる5分前。


教室に戻ると、先に屋上から出て行ったはずの悠が皆から質問攻めをされていた。





「図書室で寝てた」


笑いながら返す彼に、

皆は『あ~図書室の西日暖かいもんな』と納得した答えを返す。




「さっきさー、体育館に行って一年と勝負したんだけど…」


「コイツ、バスケ勝負でボロボロにやられてんの!」


「え~ニッシーマジで!?私も見たかった~!」


「ちょっ!バスケ部になんてかなう訳ねーじゃん!

俺、野球部だし!!」




直ぐに悠を輪の中心にしたグループは、

ワイワイと話を楽しんでいる。





6月に入り、梅雨入りした今は外のグラウンド状態も良くないらしく、

体育館で遊ぶことが多いようだ。



そんな梅雨の中でも、今日はカラッと晴れた日なので、
私も悠も屋上に居た。


 
< 79 / 91 >

この作品をシェア

pagetop