学園王子様は、俺様です。

絶対命令なんだけど。



__翌日。



「…おはよぅ」




あたしは起きたばかりで寝ぼけ眼。




「おはよ、朱里。
…朱里…ちょっといい?」




お母さんは、調理をするのをやめて、あたしをソファに座らせた。



「…?
どうしたの?」




「あのね、優斗さんのこと…」




南さんの名前が出てきて少し驚く。




「…優斗さん、って呼んで欲しい」




お母さんは、いつもみたいに「ふふふ」とかを一切言わず…



とても真剣。




…そうだ。



もう、南さんは、『南』じゃなくて『飯倉』なんだ…


あたしの…新しいお父さんなんだった……。




だから、あたしがするべきことは……




「…うん。
そう呼ぶねっ」




…もしかしたら、南さ…優斗さんは、気にしていたのかも…。



そう言うと、お母さんはホッとした表情で…



「…良かった。
最初の頃よりは人見知り、もうしないもんね?」




「うんっ
もう、1ヶ月以上一緒にいるんだもん。
さすがに慣れるよ」



あたしは、お母さんを安心させるためにそう言った。
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