ツンデレくんを呼んでみた。
「うー…………頭痛い。泣きすぎた」


しばらくして涙が収まって、中出から離れて鼻をかんだ。


「……なあ、服がびしょびしょなんやけど」


中出が上着を脱いでTシャツ一枚になっていた。


その上着はあたしの涙と鼻水で濡れていた。


「ごめんースウェット貸す。それ洗って返すから許して」


あたしが大量のティッシュで鼻をかんでから、引き出しからスウェットの上を引っ張り出して中出に渡した。


「途中で引き剥がせばよかった」

「それ人としていろいろと疑う」


中出がスウェットを被ってやれやれとため息をついた。


「……なあ」


中出があたしと向き合う。じっとあたしを見つめる。


その唇がゆっくりと動く。


「嫌じゃない、なら」


その瞳は熱に潤んでいるようで、それでも鋭い眼差しは消えていなかった。


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