甘い心はあなた一色
せっかく初めて織くんと一緒に帰るのにっ!
あんたとはいつも一緒に帰ってるでしょー!
「ぎゃあぎゃあ騒ぐな、バカ紗英子」
「はぁぁ!?」
バカってなによ、バカって!
「大体、俺の忠告がなかったら球技中に倒れてたかもしれねぇんだぞ?有り難く思え」
「――う゛」
まぁ、たしかに?
木陰で意識を失っただけ、まだよかったかもね。
そこは……。
「そこは、ありがとう」
「いーえ」
フンとえらそうに笑う彼方。