甘い心はあなた一色
――余裕だね、織くん。
さっきの緊張はあたしの気のせい?
もうこうなったら、あたしが言ってやるー!
「あのね、お母さん――」
「突然お邪魔してすみません。紗英子さんとお付き合いしています、緒方織といいます」
――え?
「「え?」」
たぶん家族3人のマヌケな声が重なった。
あ、あれ?あたし今それを言おうとして。
じゃあ結果オーライ、だよね?
ってまさか織くんが言ってくれるなんて……。