甘い心はあなた一色
「……ムカついた」
「え?」
「ごめん、ヤキモチ」
「えぇ?」
よくわかんないよ?
床に座った織くんの顔を覗き込むと、唇を尖らせている。
「織く、」
「ごはんのとき、お母さんとお父さんが言ってたこと」
「え?」
「紗英子さんは、俺の彼女なのに……」
お母さんとお父さんが言ってたことって。
『紗英子は絶対、彼方くんのところにお嫁にいくんだと思ってた』
――あ、そういうこと。
拗ねる織くん、可愛すぎるよぉ。