甘い心はあなた一色
「行こうよ、俺たちと」
「え、い、いやですっ!」
「いいじゃん行こうよ」
「や、やめてくださいっ!」
っていうか、もうすぐ織くんが来てくれるもんっ!
あなた達となんか行けないっ!
ぐいぐいと男の人に引っ張られるあたし。
どど、どうしよう。
「きく、ん……」
「あ、なに?」
「織くんっ……!」
助けてよー!!
瞳に涙を浮かべた、そのとき。
「紗英子さん!!」
バタバタと足音が聞こえたかと思ったら、あたしを呼ぶ声が聞こえて。