甘い心はあなた一色
グイッと肩を掴まれた。
「……っ、織くん!?」
走ってきたのかな、息が荒い。
「お前、なんだよ」
「お前こそ何?紗英子さんは俺の彼女なんだけど」
男の人に睨みを利かせる織くん。
こんな織くん、初めて見た。
っていうか『俺の彼女』なんて。
嬉しすぎだよ織くん。
「……なんだよ、男いたのかよ」
「行こーぜ」
捨て台詞を残して、男の人達は人ごみに消えていった。
……はぁ、助かったぁ。