甘い心はあなた一色




「だ、だって……」



さっきまであたし、織くんの腕の中にいたんでしょ?



幸せだけどね?



恥ずかしすぎるんだよぉ。



「さっき全部見たのに」



織くんの指が、あたしのゆるやかな癖っ毛の髪に絡まる。



「ひゃっ!やめてよっ」



「紗英子さんが誘ってきたんじゃん?」



「う゛ぅ……」



た、確かにそうだけどね?



だけど、まさかこんなにうまくいくなんて思わなかったんだもん。



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