甘い心はあなた一色




「多部くんに近づくのやめないなら、あたし達だって手加減しないんだから」



「へ……」



ガバッと盗られたあたしの鞄。



「このマスコット、多部くんにもらったんでしょ」



「あっえっと、」



「友達が朝見てたのよ」



女の子があたしを軽蔑するような瞳で見る。



……確かにもらったよ?



クリスマスプレゼントだって、彼方がくれたんだもん。



「……それが、なに?」



「なに、じゃないわよ。調子乗らないでよっ!」



「きゃ……っ」




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