甘い心はあなた一色
きゃーっと真っ赤な頬を押さえていると。
「おいこら、紗英子」
グイッとパジャマの首根っこを掴まれた。
「っ、へっ!?」
なに?ぐ、ぐるじい……。
「お前、なに俺突き飛ばしてんだよ……!」
……え?
見ると、茶髪の多部 彼方(たべ かなた)があたしを睨んでいた。
あ。じゃあさっきのドーンっていうのは。
「あたし、彼方を突き飛ばしちゃった?」
えへっごめん、と頭に手を当てると、ゴツンと叩かれた。
「突き飛ばしちゃった?じゃねぇよバカ!」
「うわぁぁごめんなさいっ!!」