甘い心はあなた一色
もっと近づきたいって、大好きだって。
そんな気持ちだったのは、あたしだけだったのかな。
だったらすごく悲しい――……。
「はぁ、紗英子さんまた勝手な想像してる」
「え……?」
ちょっと涙目で織くんを見ると、笑われた。
なんで、え……?
あたしの目尻に指で触れた織くんの顔が、あたしの耳元に近づく。
「このまま俺の家に連れていかれたいの?」
「へ……」
それってそれって。
寒いはずなのに、みるみるうちに体が熱をもっていく。