甘い心はあなた一色
「止めろよ母さん。紗英子さんが困ってる」
そんなお母さんを、織くんが止める。
「あら紗英子ちゃんごめんなさいね。わたしったら」
「いえいえそんなっ」
まったく困ってなんていませんからっ!
「大丈夫よっ今日は邪魔しないから。紗英子ちゃん、ゆっくりしていってね」
「あ、ありがとうございます」
「本当かよ、母さん」
「ええ。お父さんが帰ってきたら、話し相手になってもらうからっ」
そう言って頬を膨らませるお母さん。
あぁ、なんて可愛いの。
すごく若々しいし、美人だし。
あたしが男だったら、絶対惚れちゃうよ。