甘い心はあなた一色




「止めろよ母さん。紗英子さんが困ってる」



そんなお母さんを、織くんが止める。



「あら紗英子ちゃんごめんなさいね。わたしったら」



「いえいえそんなっ」



まったく困ってなんていませんからっ!



「大丈夫よっ今日は邪魔しないから。紗英子ちゃん、ゆっくりしていってね」



「あ、ありがとうございます」



「本当かよ、母さん」



「ええ。お父さんが帰ってきたら、話し相手になってもらうからっ」



そう言って頬を膨らませるお母さん。



あぁ、なんて可愛いの。



すごく若々しいし、美人だし。



あたしが男だったら、絶対惚れちゃうよ。




< 333 / 396 >

この作品をシェア

pagetop