甘い心はあなた一色




あの鬼みたいな担任の先生からは『よく頑張ったな』って初めて褒めてもらったし。



「もうっ軽い!ずっと心配してたんだからね?紗英子ったら何も相談しないんだから!」



「あ、はは……ごめん」



就職するとは言ってたけど、そこまであんまり頭回らなかったよ。



そんなあたしもなんとかさっき内定がもらえて、4月からはカフェで働いて、立派な社会人の仲間入り。



「どうせ緒方くんで頭いっぱいいっぱいだったんでしょ」



「あ、う、うん……」



呆れ顔の美知はやっぱり、とため息をついた。



うん、確かにそうなんだけどね?



< 348 / 396 >

この作品をシェア

pagetop