kuro
固まっているのを良いことに
私は二人を凝視してしまった。
男の子は金髪を両サイドピンで止めていて、制服をルーズに着崩している。
そして、まだあどけなさが残るがくろと同じくらい整った顔をしていた。
びっくりである。
そしてこの子は二人と何の関係があるのだろうか。謎である。そして、女の子。
チョコレートブラウンのボブスタイルが愛らしい思わず抱き締めたくなるような小さな可愛らしい女の子だ。
制服も着崩し過ぎず清楚な感じがある
少しお嬢様な雰囲気をもつ、可愛い子だ。
可愛い。
この前はインターホン越しで
姿を見たわけではない。
でも、何となくわかる。
この子がこの前居た子だ。
「お日様」とくろが呼ぶのもわかる気がした。
私はなにも言うことが出来ず
黙っていると、女の子の口が遠慮気味に開いた。
「あの....」
どくん。
心臓が1つ大きな音をたてる。
この声。
自分の勘に
間違いはなかった。
あのとき私が聞いた声だ。
容姿に違わぬ声。
不安そうに眉毛を斜めにする姿は
加護欲を掻き立てる。
息が、苦しい。
それでもこの子から目が離せない。
あの、と言ったきり何も言わない
女の子。
いや、きっと言えないのだろう。
この子からしたら大分大人の女にじろじろ見られて怖いのだろうから。
私が何か言わなくては。
そう思うのに、
頭では理解しているのに、
上手く口が動かない。
それどころかきゅっと固く結んだまま開くことすら難しそうだった。
目の端に写る男の子が
私達を不安そうに見ているのが
ひしひしと伝わってくる。
暫く見つめ合っていると、
くろがマグカップを4つ持って
私の隣に当たり前のように
座った。